GINGA MAGAZINE

南部鉄ケトル”イノシカ”

  • 2023.06.13
  • PRODUCTS STORY

 


これまでEFRICAでは南部鉄製品としてオコゼ鉄玉、オコゼパンをリリースしております。


及富さんともお付き合いも3年目となりました。


南部鉄器といえば頭に浮かぶには鉄瓶かと思います。私自身、EFRICA立ち上げ時から、いつかは鉄瓶を・・・と考えていました。


3Dプリンタから出力されたサンプルをもとに何度も手を加え修正をし、気が付けば2年が経過。


ついにオコゼ鉄玉、オコゼパンに続く、第3弾となる新製品が完成しました。


それが南部鉄ケトル”イノシカ”です。


 


キャンプギアとして圧倒的な存在感。焚火に映える姿。焚火台や五徳に直置き、トライポッドで吊るしても良し。薪ストーブとの相性も抜群です。


鉄瓶のもつ機能美がアウトドアというフィルターを通しても薄れずに上品な佇まいとともに表現されています。


ガス火はもちろん、IH対応ですので日常の普段使いケトルとしてもおすすめの製品です。洗練された見た目もさることながら、機能面においても南部鉄瓶のメリットはたくさんあります。


熱伝導率が良いため加熱から沸騰までが早く、保温性も優れていますのでキャンプシーンではお湯を沸かすだけでなく、熱燗やゆで卵などアイデア次第で様々な用途にお使いいただけます。


 


EFRICAで鉄瓶を作るにあたり意識したのは自然と共生してきた我々の先祖が繋いできた思想です。自然には八百万の神が存在し、自然現象や信仰、畏怖の対象とされています。


岩手にも自然を祀る山岳信仰などが根強く伝わり、 自然を尊び、恐れる気持ちを体現するものとしてあらゆるものに神が宿ると考えられてきました。イノシシやシカは古来より神の使いとされ、神聖な存在です。


我々の住む領域、野生動物の棲む領域には境界線があり、山野を駆け回るイノシシやシカなどの野生動物は昔からその境界線に近いところに生息しています。


自然に足踏み入れる時、境界線を越える時に我々を自然に一歩近づけてくれるアイテムを作りたい。自然と繋がる接点としての鉄製品。そう考えた時、我々より山野を知る彼ら野生動物の存在が作品づくりに大きく影響しました。


自然の中に身を置くとき、我々と自然を繋げてくれる道具になってほしいという想いからアイデアが形になっていく過程で我々はこの作品を”イノシカ”と名付けました。


伝統、歴史を持つ南部鉄器は日常で使う道具でありながらこうした思想や想いをも表現できる工芸品です。丸型、平型などその形にも個性があり、味わいがありますが、”イノシカ”の無骨ながら洗練されたフォルムからは野生動物の力強い生命を感じます。


機能美、装飾美などモノの用途や目的を果たしながら醸し出される美しさは様々ですが、真は人の心を満たすデザインであることだと思います。


”イノシカ”が作られるまでのこうした思想や物語を読み取ることで、モノは人の心を満たし、”イノシカがある”自然遊びはより一層上質な時間に変わると考えています。


 


EFRICAはこれまで岩手の伝統工芸を取り入れた作品を企画してきましたが、作り出す作業と並行して想いを込めた製品を世の中の多くの方に知ってもらうため、日本全国に向けた営業活動も行ってきました。


営業活動の中であるきっかけからお客様は産地で製品を選んでいないのでは?と思うようになりました。もちろん良い製品であることが第一であることは言わずもがなですが、 どこで作られたか?ではなく、海外製であっても、国産であっても機能を満たしていれば産地は関係なく評価されていました。


自信をもっている製品が価格であったり、好みで選ばれないということはしょうがない。しかしながら製品ができるまでの歴史や作家さんの想いを伝えること作業をもっと頑張らないとお客様の心を動かすことはできないと強く感じました。


EFRICAが大事にしているのは作り手が見えるものづくりです。


及富さんと知恵を出し合い完成した”イノシカ”で自然の雄大さとともに岩手の文化、伝統を感じていただきたいです。


南部鉄ケトル”イノシカ”

名称:イノシカ  ”inoshika”


材質:[本体] 鋳鉄 [ツル] 鋼材 

本体直径:約16cm

ツルまでの高さ:約8.5cm

容量:600~700mℓ 満水容量:1ℓ

重量:約1.8kg


※本体直径に注ぎ口は含まれません。

※容量は満水容量です。

※本体大きさや重量、容量は制作工程の都合上表記と若干誤差がある場合がございます。

※ガスレンジ並びにIH対応(中火以下推奨)。

※洗剤は使用不可。※スポンジやタワシは使用しないでください。

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