GINGA MAGAZINE

釣りとEFRICAの世界観

  • 2022.03.26
  • COLUMN

EFRICA中嶋です。今回は私のライフワークでもある釣りとEFRICAについてお話します。


◆私と釣り


「釣りを知らないことは人生の楽しみの半分を知らないことだ」byジェームス・へドン


歴史あるルアーメーカーの創始者の言葉です。釣りをやらない方には甚だハラスメントな発言ではありますが、私にとっても釣りとの出会いは大きなものだったと思います。幼少期、父親に連れて行ってもらった海、川のエサ釣りからはじまり、中学~高校時代はまわりの仲間と本格的にルアーフィッシングにのめり込み、大学時代には釣具屋でバイトをしながらバスフィッシングに明け暮れました。17~8年前に岩手に戻ってからも地元を拠点に、たまに遠征しつつルアーフィッシングの日々。現在はEFRICAを営む傍ら、ロッドメーカー、ルアーメーカーのスタッフとしてアイナメ、ソイ、ハタなどロックフィッシュと言われるジャンルの釣り道具の開発にも携わっています。


◆育んでくれた海


私が住む岩手県宮古市は三陸リアス式海岸のちょうど真ん中あたりに位置しており、本州最東端、重茂半島を擁し、三陸沖は世界三大漁場のひとつとしても知られる水産資源の豊富な場所です。ロックフィッシュも代表格であるアイナメやクロソイをはじめ、ムラソイ、ベッコウゾイ、マゾイなど魚種も多く、大きい魚も狙えるフィールドです。中学生のときにワームという柔らかいルアーを使ったロックフィッシュゲームに出会い、今まで30年やり続けています。ロックフィッシュゲームは手軽で初心者でも入りやすいため釣り人口も多く、各地で大会も開催される人気の釣り。このロックフィッシュ用のロッド(竿)の監修をしており、現在も新しいラインナップのテストの真っ最中です。海の釣りは魚の引きも強くダイナミックなところが魅力だと感じています。


◆川釣りとEFEICAの世界観


とまぁジャンル的には海の釣りの人なのですが、毎年39月の川釣りシーズンも楽しみで、ここ数年はキャンプを絡めた渓流釣りに多く出掛けています。川の釣りはEFRICAのモノ作りに直結する着想や刺激をもらえる場で、私にとっては創造的で修行のような精神面においても大事な釣りです。山に籠もり川の流れを聞いていると自分の中にある野生の部分があらわれて、釣りキチ三平の世界観にも似た思想とでもいいましょうか、自然に溶け込み、魚との距離を縮める、より自然に近いアプローチができるのです。まさに崇高な体験であり、得るものは大きいです。まだ薄暗い中、夜明けの靄に包まれるときや日没から暗くなるまでの風のない寸刻にも静かな興奮とともに奥底には恐怖心があって、それが自然への畏敬の念なのだと感じます。魚を釣ることが目的なはずなのに釣りの楽しみ以上に心が昂り、日常にはない特別な時間の流れ方を味わえるのが川釣りの魅力です。こういった心の領域を満たす道具を作りたいと考えた時、浮かんだのが伝統、歴史を持つ工芸品とのコラボであり、そこがEFRICAの製品作りの原点になっています。


ロッドメーカーAPIAのYoutubeチャンネル


APIA TV(中嶋出演)


https://www.youtube.com/watch?v=OP5YC5Lh1DI


 


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