GINGA MAGAZINE

EFRICA中嶋です。GINGA MAGAZINE 2回目は新製品のアウトドアスプレーについて開発秘話と題して完成までのストーリーをお話したいと思います。出会い、共感、過程、未来。これからのプロダクトの方向性を示す製品でもあります。岩手の風土、自然、人の手によりアウトドアスプレーはこのようにして生まれました。

◆ファーメンステーションとの出会い

EFRICA立ち上げ前のこと、岩手県内の伝統工芸、特産品などを知るため、様々な企業、作家さん、職人さんを訪ねてまわっていました。一関の京屋染物店さんに染物の見学に伺った時のこと、ミーティングを終え店頭の商品を眺めていてふと目に入ったのがファーメンステーションのアウトドアスプレーでした。

洗練されたデザインのボトルが印象的で岩手に由来があり環境に配慮された製造工程。EFRICAでやりたいことがそのまま実現されていました。ある意味ショックを受けたと言いますか…。このスプレーを作りたい。早速、担当者さんを紹介してくださいとお願いしたのを憶えています。ファーメンステーションとやり取りが始まったのはそれから数週間後のことだったと思います。担当してくださった渡辺さんは岩手のご出身。東京⇔岩手のリモートではありましたが親近感を覚え、そこで大まかな製品のイメージまで話し合うことができました。“EFRICAオリジナルとしてヒノキの香りでできないでしょうか？”EFRICAアウトドアスプレーはそこから始まりました。

◆こだわりの詰まった製品

私がこの製品とファーメンステーションのファンになったのは、独自の発酵技術を持ち、厳選された原料で手間ひまかけてスローに製造している、そして未来を見据えたモノ作りのサイクルを実現しているという点からです。アウトドアスプレーに関してはお米から抽出したエタノールを使用しているというのが一番の特徴となります。ロサンゼルスエンゼルス大谷選手の故郷、岩手県奥州市の米農家さんが休耕田を耕して育てた無農薬・無化学肥料米（有機JAS認証）から抽出したライスエタノールを使用しています。すべて手作業で発酵させたお米の“もろみ”を丁寧に蒸留し時間をかけて抽出されたエタノールはほんのりとお米の香りがします。このライスエタノールに香り高い精油をブレンドし、アロマのように香りが引き立つアウトドアスプレーになるのです。

エタノール製造時に出る発酵粕は牛や鶏の飼料となり、ごみはゼロ、未利用資源、再生可能エネルギーを活用。自然、地域、社会と共生する取り組みも徹底しており、無駄のない資源循環の流れの中で製品を作ることに強くこだわっています。

エタノールの製造は岩手にあるラボで一貫して行っており、地方製造（岩手での雇用）、地域循環・一次産業の活性化（米農家等の一次産業との連携や発酵粕の飼料利用で畜産農家と連携）など発酵技術とアイデアで、未利用資源を再生・循環させる社会を構築し、価値ある製品にアップサイクル*¹させる事業を展開しています。アウトドアスプレーにはこういった背景があります。それを知ることで、我々の大好きな遊びや普段の生活の中で使うアイテムの価値が高まり、より素敵な時間が過ごせると私は考えています。

*¹アップサイクル・・本来であれば捨てられるはずの廃棄物に、デザインやアイデアといった新たな付加価値を持たせること

◆こうして生まれたEFRICA OUTDOOR SPRAY （BOFアウトドアスプレー）

サンプルの段階から納得の出来でしたが、製品版はさらに香り高く、担当の渡辺さんからもものすごい良い製品になっています！と。

 〇特徴

・岩手県産のお米でできたオーガニック米エタノール使用

・ひのきをベースに、ハッカ、ユーカリ、シトロネラなど虫がきらいな香りを配合

・天然精油のみ使用

・全成分：エタノール*² 、水、グリセリン*³ 、ヒノキ油、ハッカ葉油、ユーカリ葉油、コウスイガヤ油

 *²エタノール・・肌のキメを整える成分    *³グリセリン・・角質層の柔軟化および保湿作用

・容量：75 ml

※エタノール製造時に残った発酵粕は化粧品の原料や鶏・牛の餌に活用し、さらにその鶏糞や牛糞は畑や田んぼの肥料にするなど、ごみを出さないサステナブルな循環の中で作られている製品です。

今は時期的に虫の少ない時期ですが、用途は広く、ルームスプレー、ピロースプレー、マスクスプレーなどとして男女、年齢問わず通年使える製品です。原材料には厳選した天然由来成分のみを使用しており、刺激が少なく優しい肌触りで化学由来成分に不安のある方やお子様にも安心してお使いいただけます。持ち運びにちょうど良いボトルサイズですのでバッグに入れておけば日常のあらゆる場面で活躍します。

◆森の香りを持ち歩く

岩手県内のとある資料館で“フィトンチッド”というワードに出会いました。フィトンチッドとは樹木などが傷ついたときに傷口から害虫が侵入したり、病原菌に感染するのを防ぐため植物が自ら発散する殺菌力を持つ化学物質のことです。このフィトンチッドは我々人間に癒しや安らぎを与える効果があります。森林浴が気持ち良いのはフィトンチッドに触れるからとも言われています。私がヒノキの香りを選んだのは森が持つ不思議な力を感じたいという想いからです。その想いが、ファーメンステーションの確かな技術と自然に優しい工程を経てカタチとして出来上がりました。豊かな香りはまるで森の中にいるようで気持ちがすぅっと安らぎます。ボトルのデザインは岩手県盛岡市を拠点に活躍するgrams design officeが監修。北上山地の最高峰、早池峰山をイメージした“森の香りを持ち歩く”ボトルです。過程にもこだわったストーリーのある自慢のアウトドアスプレーです。アロマのような芳醇なヒノキの香りでいつでもどこでも森を感じてください。